洋々閣の館内には、男女別に大浴場が用意されています。壁は檜、浴槽は黒御影石、床は福光石で落着いた空間です。
Bakuhansekino-Yu(麦飯石の湯)
洋々閣の「湯」は、正確にいうと温泉ではありません。が、タンク内の「麦飯石」と共に沸かされミネラルや酸素を含む、体に優しい(温泉成分を持つ)お湯が給湯される仕組みとなっています。
やはり広い空間での入浴は最高ですね、チェックインした日は一番風呂を頂きました。
Garally(中里隆太窯)
館内には唐津焼の中里(一族)窯ギャラリーが点在しており、手に取ってその器達を見ることが可能です。また、値は張りますが購入も可能なため、唐津焼ファンにはたまらないギャラリーですね。
Garden(庭園)
滞在した「十坊の間」からは、広大な庭園へアクセス可能です。群生している老松は、どれも樹齢200年を超えており、さらにその松林を抜けた奥には枯山水の庭が現れます。
庭園の池に突出した茶室の様な佇まいの部屋は「作用姫の間」です。作用姫の間はシンプルで美しい8帖1間の日本間で、庭園を一望できる造りとなっています。入室は(滞在者の)誰もが可能ですが、作用姫の間に宿泊することはできません。昼寝に利用する常連客もいらっしゃるようでしたので、窓を開放し床下の池を流れる水音を聞きながら、私も暫し横になってみました。
Dinner(夕食)
夕食は各自客室にて提供されます。初日は「寿司 海幸」を利用したため、プランから外してもらいました。メニュー詳細は「おしながき」画像を参照頂ければと思いますが、客室のカテゴリによって提供される食材の内容や品目数が変化するそうで、滞在した「十坊の間」は最上位設定の客室カテゴリのため、食事も同様の設定だそうです。(他の客室利用でもオプションで同献立に変更可能)
食事に合わせるドリンクは「Moët & Chandon(モエ・エ・シャンドン)」を選択、他には「veuve clicquot(ヴーヴ・クリコ)」のイエローラベルが用意されてましたが、ドチラも良心的な価格設定でした。
料理は海産物が豊かで新鮮な唐津らしい構成の会席で、兎に角「魚尽くし」です。
こんなに美味しい「鯛のあら煮」は久し振りに食しました。
全ての食事は掲載しきれていません。しかし提供される全ての皿が唐津焼の上物で、料理一皿のボリュームも相当なものです。正直、あら煮位の処で満腹になり、後半の料理はセーブ(半分程残)しながらでないと先へ進めません。
最後に「鯛茶漬け」と「フルーツ」で〆ます。が、食後は小一時間動けませんでした。
Morning(朝食)
朝食は別会場となり、庭園を見ながら頂きます。2日間ともガーデンサイドのコーナーテーブルへアサインされましたので、客室によってある程度テーブルが決まっているような感じを受けました。ちなみに庭園越しに見える最奥の建屋が「十坊の間」です。
メニューは体に優しい「麦粥」をメインに、川島豆腐店の「ざる豆腐」、焼き魚、味噌汁といった内容で、2日目は麦粥を白米にして頂きました。
食後はモダンに改装されたラウンジで庭園を眺めながら珈琲を頂きます。毎朝、女将が挨拶に現れ客室の事や食事内容の事等、不満点が無いかヒアリングされました。スマートでかつ上品な挨拶と、その会話のやり取りから、きめ細かな配慮を感じさせられる人柄です。今年のANA機内誌2月号に女将が掲載されていたのを拝見した旨を伝えると、はにかみながら笑っていらっしゃいました。
また奇遇な事に、洋々閣で提供される珈琲は、私の自宅近所の(というか、私がいつも購入している)お店の珈琲豆を取り寄せているとのことでした。こんな偶然もあるんですね。
Karatsu(唐津市)
唐津が文化財に溢れ、見どころの多い街であることは意外と知られていないと思います。昭和41年に復元された「唐津城」や国の重要文化財である炭鉱王の邸宅だった「高取邸」、そして100万本の老松が茂る「虹ノ松原」等、明治大正昭和の空気がアチラコチラに色濃く息衝いています。
里帰りの最後には「大原老舗」に立ち寄り、お土産として「松露饅頭」を購入します。今では全国の百貨店で取扱いされている他、お取り寄せも可能ですので然程珍しいものではありません。しかし店舗に立寄った真の目的は、店頭で出来立ての「松露饅頭」を食すことにありました。
午前中から午後の早い時間に掛けて、大原老舗の店頭では職人が手作業で松露饅頭を作製しています。その出来立てのカステラ薄皮のパリパリ感は、梱包され時間の経過した商品とは全く別物の味わいです。小学生時代によく本店に立ち寄って出来立てを買い食いしたのを思い出しますね。
古い友人達と会い、当時を懐かしみ、また美味しいモノを食せた里帰りとなりました。