アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード(以下、アメックスゴールド)会員に対し、2014年9月からの年会費改定と、それに伴う各種サービスの拡充が案内されました。
その案内書一式を友人から頂きましたので詳しく見てみたいと思います。
サービス拡充と年会費改定の案内書
まずは「年会費改定」について見てみましょう。
- 現在⇒年会費:26,000円+消費税 家族カード:12,000円+消費税
- 改定⇒年会費:29,000円+消費税 家族カード:1枚無料/2枚目以降12,000円+消費税
9月26日以降から、本会員は3,000円の実質値上げも、家族カード1枚目が無料と、現在家族カードを発行している会員に対してはトータルで見れば値下げとも取れる改定内容です。
ちなみに「新規入会」の場合は、2014年9月5日(金)の申込み分から値上げとなります。
家族カードを1枚無料にすることで(発行対象として最も多いであろう)本会員の配偶者にも利用させることにより、決済額のボトムアップを図るのが狙いなのでしょう、実にアメックスらしい戦略です。しかし逆に単身者にとっては単なる値上げとも取れるため、その対価としてサービスの拡充を謳っています。
家族カードが1枚無料
発行可能な家族カードが、現在本会員と同様の「ゴールドカード」のみでしたが、改定後(9月5日以降)は「アメリカン・エキスプレス・カード(通称、グリーンカード)」も発行可能となります。
案内によると、グリーンカード発行の一例として「お子様向け」と説明されていますが、ゴールドを敬遠する方(配偶者等)にも良いサービスですね。
ダイニングサービス
今回のサービス拡充のメインともいえるのが「ダイニングサービス」です。(プラチナ・カードの「ダイニング・アクセス」とは内容が異なります)
- ゴールド・ダイニング
⇒国内外の約200店のレストランにて、2名以上の予約で所定のコースメニューが1名無料となる - グローバル・ダイニング
⇒海外のレストランで利用代金の20%OFFをはじめ、各店での各種優待が受けられる
特に「2名以上で1名無料」のダイニングサービスは、現在プレミアム系と呼ばれるカードは必須のベネフィットとなっています。そのことからアメックス ゴールドも「新しいステージに突入した」と言って良いかもしれませんね。
運営は「株式会社フィールドプランニング」が行っているため、このダイニングサービスの正体は「招待日和」ということです。普通にこのサービスを利用するとなれば「年会費1名32,400円(税込)」が必要となるため、本会員3,000円の値上げは霞んでしまいます。
ちなみに、JCBの「グルメベネフィット」や、ダイナースの「エグゼクティブダイニング」も同社へアウトソースしているので、サービス内容はほぼ同じです。
ゴルフ優待サービス
- プリファード・ゴルフ
⇒提携ホテルに2連泊以上の宿泊で、ホテルが契約するゴルフコースのプレー代が1名無料となる(通常年会費295米ドル)
既にプラチナ・カードでは実施されているベネフィット(プリファード・ゴルフ)がゴールド・カードでも9月4日から利用可能となりました。しかし対象ホテルが全て海外となっていますので、海外渡航が多い方以外は頻繁に利用するのが厳しいサービスといえます。
トラベルサービス(海外)
- アメリカン・エキスプレス・トラベルオンライン
⇒ホテル・レンタカー・国際航空券のオンライン予約が可能(会員限定サイト) - プライオリティ・パス
⇒国内外600ヶ所以上の空港ラウンジが利用可能なメンバーシップに本会員・家族カード共に無料登録(通常99米ドル)及び年間2回のラウンジ利用料(1回27米ドル)が無料
海外旅行の携行必需品とも呼べる「プライオリティパス」の内容が拡充されます。
普段利用しないアライアンス(のビジネス利用や上級会員でない場合)搭乗時など、年間2回までラウンジ利用料が無料となるのは嬉しいですね。
トラベルサービス(国内)
- ◆JR東海プラスEXサービス
⇒東海道新幹線の座席を、スマホ・携帯やPCから予約・変更・決済が可能 - 一休.com
⇒アメックスのサイト経由で予約すると、毎月先着100名が表示価格より3,000円OFF
私はエアライン中心で東海道新幹線の利用が殆ど無いため、その利便性は分かりませんが、新幹線出張の多い方には朗報だと感じます。また、一休.com(も利用しませんが)の毎月先着100名3,000円OFFも利用者には有難いサービスとなるでしょう。
(私の)結論と考察
此度の「年会費改定とサービス拡充」について、改定額3,000円に対するリターン(サービス拡充)内容は非常に大きなものだと個人的には考えます。むしろ「拡充に見合った値上幅」とは思えません。
拡充の内容的には、もう少し値上げしても良かったのではないでしょうか。このスペックにコンシェルジェが付けば、他社のプラチナカードと比較しても全く遜色有りませんね。
もしかすると近い将来の本格的な年会費改定に向けた第一段階の値上げで、いわゆる会員の動向を見定める「様子見」かも知れません。
さらには、先に改定を行ったプラチナ・カードの年会費(130,000円+税)に耐えられず、ゴールドに流れる(又は退会を阻止するために流す)会員へ向けたフォロー(ベネフィット差の調整=プラチナからゴールドへ切替えた際に感じるベネフィットの落差を緩和させた)とも受け取れます。
ということから、僅か3,000円の値上げで、各種ベネフィットを追加搭載した良いカードへとアメックス ゴールド(は生まれ変りましたね。プロパーカードの中では(年会費見合いで)最もバランスの取れたカードだといえます。